エミリア・ロマーニャ
2015年05月14日
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その3
皆さん、こんにちは!
シエナは観光シーズンで賑やかになってきました!さて、前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州ロマーニャ地方のワイナリー、カステッルッチョのワインをご紹介!
前回までのおさらい
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その1
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その2
カステッルッチョ社
エミリア・ロマーニャ州のフォルリとファエンツァの間に広がるモディリァーナの丘陵地帯(標高250m〜500m)にカステッルッチョはあります。
上の地図をご覧いただくとモディリァーナの近くまで黒い線が引いてあります。これがトスカーナ州とエミリア・ロマーニャ州との境になっているわけなんですが・・・

昔のトスカーナ州の地図。

実は1930年ごろまでは、このモディリァーナ地区やフォルリの町の手前の地区はトスカーナ州の一部だったのです。(フィレンツェ県) そのためこの地区はアンティーカ・トスカーナ(古のトスカーナ)とも呼ばれます。大変マニアックな情報。


糸杉こそありませんが、この太陽と緑広がる丘陵地は通ずるものがありますね!実際、このロマーニャ地方はサンジョヴェーゼの名醸地として有名です。
土壌は、粘土質の層や石灰石からなる堆積岩。
石や砂質、シルト岩(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)などの土壌と比べて、水が浸透するのにやや時間がかかり、雨が降った後は畑に入るのに2日ほど待たないとなりません。収穫の時期は大変神経を使います。
ソーヴィニョン・ブランの畑はアルベレッロという仕立て方。この土地特有の強い風にも対応できるようにこの仕立て方で植えられたとのことです。ブドウの房が木の周りに着くので収穫や選定が大変です。
カステッルッチョ社
所有面積 50ha
ほぼ森や耕地
オリーブ畑2ha
ブドウ畑は15ha。
サンジョヴェーゼ種が約13ha。
1〜1.5haのソーヴィニョン・ブラン
0.5haのカベルネ・ソーヴィニョン
となっています。
また大きな特徴として、高傾斜の畑。なんと角度40度。上から下へ収穫などの作業を行います。
良い日照を1日浴びながら、500mという標高の高さからなるほどよい冷涼な気候のおかげで
ゆっくりとブドウを完熟できます。
さらに海から30kmという位置で海からの風をダイレクトに受け止めるポジション。北東からはBORAボーラ。北西からはMAESTRALEマエストラーレという風を拾えます。
良いワイン丘陵地には良い風があるというのはよく目にしてきました。風の広がる丘というような名前のワイン名を耳にする機会もあるのではないでしょうか?イタリア語で風をヴェントといいます。(ポッジョ・アル・ヴェント、ヴェントライオなど)
温度の調整や湿気の除去・乾燥、新鮮な空気の移動、潮風など、クオリティーワインづくりには“良い風”の存在が欠かせません。

こちらはサンジョヴェーゼの畑、トスカーナでよく見るコルドーネ・スペロナートという垣根式の仕立て方となっています。
ブドウの樹の列の間に草花が生い茂っています。雨が降った時に土が地滑りしないようにするという効果もあるそうです。


左から
Massicone マッシコーネ (カベルネ・ソーヴィニョンとサンジョヴェーゼ)
Ronco dei Ciliegi ロンコ・デイ・チリエージ (サンジョヴェーゼ)
Ronco delle Ginestre ロンコ・デッレ・ジネストレ(サンジョヴェーゼ)
Le More レ・モーレ(サンジョヴェーゼ)
白 Lunaria ルナリア(ソーヴィニョン・ブラン)
白 Ronco del Re ロンコ・デル・レ (ソーヴィニョン・ブラン)
Massicone マッシコーネ
名付けて モダン熟成ブレンド スーパーアンティーカトスカーナ
年間生産本数 5000本
カベルネ・ソーヴィニョン 50%
サンジョヴェーゼ 50%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 カベルネ・ソーヴィニョンは新樽バリック(225l)、サンジョヴェーゼはトンノー(350l)で12カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
Ronco dei Ciliegi ロンコ・デイ・チリエージ
名付けて 女性的でエレガントなサンジョヴェーゼロマーニャ
畑 クリュ単一畑 ロンコ・デイ・チリエージ
年間生産本数 15000〜20000本
サンジョヴェーゼ 100%(実が大きいタイプ)
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 トンノー(350l)で10カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
Ronco delle Ginestre ロンコ・デッレ・ジネストレ
名付けて 男性的でアグレッシブなサンジョヴェーゼ
畑 クリュ単一畑 ロンコ・デッレ・ジネストレ
年間生産本数 5000本
サンジョヴェーゼ 100%(実が小さいタイプ)
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 トンノー(350l)で12カ月ほど。ブレンド後、少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
Le More レ・モーレ
名付けて ロマーニャ人が毎日飲むベースサンジョヴェーゼ
年間生産本数 50000本
サンジョヴェーゼ 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 7000kgのブドウ(ベースワインとしてはとても低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 少なくともボトル内で2カ月の貯蔵

Lunaria ルナリア
名付けて オレンジピール芳香性高いロマーニャ型ソーヴィニョン
年間生産本数 10000本
ソーヴィニョン・ブラン 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 7000kgのブドウ(ベースワインとしては低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで18〜20℃
熟成 少なくともボトル内で2カ月の貯蔵
Ronco del Re ロンコ・デル・レ
名付けて 究極のアンティーカ・トスカーナ 熟成ソーヴィニョン・ブラン
畑 クリュ単一畑 ロンコ・デル・レ 0.5ha
年間生産本数 たった1500本 幻のワインといっても過言ではありません
ソーヴィニョン・ブラン 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 4000kgのブドウ(とてつもなく低いです)
アルコール発酵 トンノー(350l)
熟成 新樽トンノー(350l)で10カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
2015年出荷のロンコ・デル・レは2008年物。なんとブルネッロなどの熟成赤ワインよりも遅く出荷される熟成白ワイン。

ワイナリーに訪問したのは先月ですが、その数週間前、当時のワイナリー創立者で映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏がお亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈り申し上げます。
お会いすることはありませんでしたが、彼が立ち上げ、ヴィットーリオとともにエミリア・ロマーニャのイノベーションを起こしたワイナリーを今、日本にご紹介することを誇りに思います。
ヴィットーリオ・フィオーレの珠玉のロマーニャ・ワイン
日本のレストラン関係の皆様、限定本数で各ラベル日本上陸いたします。
間もなく販売可能となりますのでお問い合せ・お見積り・ご注文お待ちしています。
nobuhiko@emporiomed.it
鈴木暢彦
シエナは観光シーズンで賑やかになってきました!さて、前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州ロマーニャ地方のワイナリー、カステッルッチョのワインをご紹介!
前回までのおさらい
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その1
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その2
カステッルッチョ社
エミリア・ロマーニャ州のフォルリとファエンツァの間に広がるモディリァーナの丘陵地帯(標高250m〜500m)にカステッルッチョはあります。

上の地図をご覧いただくとモディリァーナの近くまで黒い線が引いてあります。これがトスカーナ州とエミリア・ロマーニャ州との境になっているわけなんですが・・・

昔のトスカーナ州の地図。

実は1930年ごろまでは、このモディリァーナ地区やフォルリの町の手前の地区はトスカーナ州の一部だったのです。(フィレンツェ県) そのためこの地区はアンティーカ・トスカーナ(古のトスカーナ)とも呼ばれます。大変マニアックな情報。


糸杉こそありませんが、この太陽と緑広がる丘陵地は通ずるものがありますね!実際、このロマーニャ地方はサンジョヴェーゼの名醸地として有名です。
土壌は、粘土質の層や石灰石からなる堆積岩。
石や砂質、シルト岩(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)などの土壌と比べて、水が浸透するのにやや時間がかかり、雨が降った後は畑に入るのに2日ほど待たないとなりません。収穫の時期は大変神経を使います。

ソーヴィニョン・ブランの畑はアルベレッロという仕立て方。この土地特有の強い風にも対応できるようにこの仕立て方で植えられたとのことです。ブドウの房が木の周りに着くので収穫や選定が大変です。
カステッルッチョ社
所有面積 50ha
ほぼ森や耕地
オリーブ畑2ha
ブドウ畑は15ha。
サンジョヴェーゼ種が約13ha。
1〜1.5haのソーヴィニョン・ブラン
0.5haのカベルネ・ソーヴィニョン
となっています。
また大きな特徴として、高傾斜の畑。なんと角度40度。上から下へ収穫などの作業を行います。
良い日照を1日浴びながら、500mという標高の高さからなるほどよい冷涼な気候のおかげで
ゆっくりとブドウを完熟できます。
さらに海から30kmという位置で海からの風をダイレクトに受け止めるポジション。北東からはBORAボーラ。北西からはMAESTRALEマエストラーレという風を拾えます。
良いワイン丘陵地には良い風があるというのはよく目にしてきました。風の広がる丘というような名前のワイン名を耳にする機会もあるのではないでしょうか?イタリア語で風をヴェントといいます。(ポッジョ・アル・ヴェント、ヴェントライオなど)
温度の調整や湿気の除去・乾燥、新鮮な空気の移動、潮風など、クオリティーワインづくりには“良い風”の存在が欠かせません。

こちらはサンジョヴェーゼの畑、トスカーナでよく見るコルドーネ・スペロナートという垣根式の仕立て方となっています。
ブドウの樹の列の間に草花が生い茂っています。雨が降った時に土が地滑りしないようにするという効果もあるそうです。


左から
Massicone マッシコーネ (カベルネ・ソーヴィニョンとサンジョヴェーゼ)
Ronco dei Ciliegi ロンコ・デイ・チリエージ (サンジョヴェーゼ)
Ronco delle Ginestre ロンコ・デッレ・ジネストレ(サンジョヴェーゼ)
Le More レ・モーレ(サンジョヴェーゼ)
白 Lunaria ルナリア(ソーヴィニョン・ブラン)
白 Ronco del Re ロンコ・デル・レ (ソーヴィニョン・ブラン)
Massicone マッシコーネ
名付けて モダン熟成ブレンド スーパーアンティーカトスカーナ
年間生産本数 5000本
カベルネ・ソーヴィニョン 50%
サンジョヴェーゼ 50%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 カベルネ・ソーヴィニョンは新樽バリック(225l)、サンジョヴェーゼはトンノー(350l)で12カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
Ronco dei Ciliegi ロンコ・デイ・チリエージ
名付けて 女性的でエレガントなサンジョヴェーゼロマーニャ
畑 クリュ単一畑 ロンコ・デイ・チリエージ
年間生産本数 15000〜20000本
サンジョヴェーゼ 100%(実が大きいタイプ)
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 トンノー(350l)で10カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
Ronco delle Ginestre ロンコ・デッレ・ジネストレ
名付けて 男性的でアグレッシブなサンジョヴェーゼ
畑 クリュ単一畑 ロンコ・デッレ・ジネストレ
年間生産本数 5000本
サンジョヴェーゼ 100%(実が小さいタイプ)
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 トンノー(350l)で12カ月ほど。ブレンド後、少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
Le More レ・モーレ
名付けて ロマーニャ人が毎日飲むベースサンジョヴェーゼ
年間生産本数 50000本
サンジョヴェーゼ 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 7000kgのブドウ(ベースワインとしてはとても低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 少なくともボトル内で2カ月の貯蔵

Lunaria ルナリア
名付けて オレンジピール芳香性高いロマーニャ型ソーヴィニョン
年間生産本数 10000本
ソーヴィニョン・ブラン 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 7000kgのブドウ(ベースワインとしては低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで18〜20℃
熟成 少なくともボトル内で2カ月の貯蔵
Ronco del Re ロンコ・デル・レ
名付けて 究極のアンティーカ・トスカーナ 熟成ソーヴィニョン・ブラン
畑 クリュ単一畑 ロンコ・デル・レ 0.5ha
年間生産本数 たった1500本 幻のワインといっても過言ではありません
ソーヴィニョン・ブラン 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 4000kgのブドウ(とてつもなく低いです)
アルコール発酵 トンノー(350l)
熟成 新樽トンノー(350l)で10カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵
2015年出荷のロンコ・デル・レは2008年物。なんとブルネッロなどの熟成赤ワインよりも遅く出荷される熟成白ワイン。

名称 | IGT Forli sauvignon blanc "RONCO DEL RE" |
収穫年 | 2007年 |
カテゴリー | IGT |
品種 | ソーヴィニョン・ブラン種100% |
生産地域 | エミリア・ロマーニャ州フォルリ・チェゼーナ県 生産者CASTELLUCCIO社 |
料理 | ロブスターレモンバター、脂ののった魚系のグリルなど |
コメント | 境地にたどり着いた完成系白ワイン。ソーヴィニョン・ブラン特有の青々しさ、ハーブや切りたての草のフレッシュな香りは感じず。次の次元に進化したかのような熟成ソーヴィニョン。まだまだみずみずしさもあり、とにかく酸と糖の心地よい究極のバランス感があります。 |
ワイナリーに訪問したのは先月ですが、その数週間前、当時のワイナリー創立者で映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏がお亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈り申し上げます。
お会いすることはありませんでしたが、彼が立ち上げ、ヴィットーリオとともにエミリア・ロマーニャのイノベーションを起こしたワイナリーを今、日本にご紹介することを誇りに思います。
ヴィットーリオ・フィオーレの珠玉のロマーニャ・ワイン
日本のレストラン関係の皆様、限定本数で各ラベル日本上陸いたします。
間もなく販売可能となりますのでお問い合せ・お見積り・ご注文お待ちしています。
nobuhiko@emporiomed.it
鈴木暢彦
nobufico at 08:13|Permalink│Comments(0)│
2015年04月26日
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その2
皆さんこんにちは!
前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州の南東部ロマーニャ地方にあるワイナリー、カステッルッチョの最新情報をお届けします。

ご覧のようにド田舎です。当日は天気にも恵まれ清々しい春の日でした!
山を進んでいくといくつかの畑を目にしました。

こちらの畑は皆さん何か想像できますでしょうか?
何とキウイの畑です。
あまり想像できなかったエミリア・ロマーニャ山岳部のキウイ栽培。あまりに信じられなくて?(ロベルトを疑ったわけでもないですが・・)昨日シエナのスーパーに並んでいたキウイの産地を確認してみるとそこには「FAENZAファエンツァ」との記載が。。!つまりこのエリアです。一つ勉強になりました。


ワイナリーにはワンちゃんがいることも多いですが、こちらカステッルッチョにも。
ラポ君です!到着するやいなやお出迎え、その後ロベルトの愛車ボルボのホイールにマーキングをしていました。


左は実質的なワイナリー運営責任者であり醸造家でもあるクラウディオ・フィオーレ。醸造家ヴィットーリオ・フィオーレの三男であり、四男アレッサンドロとの双子です。

フィオーレ家
左から次男ユーリ、三男クラウディオ、妻アドリアーナ、ヴィットーリオ、四男アレッサンドロ、長男ロベルト

次男のユーリはブルゴーニュの醸造学校を経て現在はトスカーナ州フィレンツェ県グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ責任者。三男のクラウディオはアルトアディジェにあるサンミケーレ農業学校で醸造学を学んだのちフリウリの名門リヴィオ・フェッルーガ社などのワイナリーで経験を積みカステッルッチョの責任者を務めます。
カステッルッチョ社とオーナー、ヴィットーリオ・フィオーレの歴史を簡単にご説明。
カステッルッチョ物語 第1部
1978〜1990年

Gian Vittorio Baldi
1970年代の終わり、映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏が土地を購入、新興ワイナリーとして創業。国内外で活躍していた醸造家ヴィットーリオ・フィオーレをコンサルタントに迎え、それまで主流でなかったクオリティーワインの生産に努める。国際的な情勢も視野に入れサンジョヴェーゼ以外にもわずかにソーヴィニョン・ブランやカベルネ・ソーヴィニョンも植える。(エミリア・ロマーニャ州で初めての植えられたソーヴィニョンではないかともいわれている。)
近年このエリアで成功を収めるゼルビーナ、パラディーゾ、サン・パトリニャーノなどのワイナリーの中でも先駆者的な存在として知られている。
80年代ソビエト連邦のゴルバチョフなどの要人を迎えたローマでの昼食会でカステッルッチョ社の究極のソーヴィニョンセレクション、RONCO DEL RE ロンコ・デル・レが振舞われた。
90年、バルディ氏はワイナリーの経営権を他者に譲りワイナリーも売却。ヴィットーリオ・フィオーレは約10年務め一時代を築いたカステッルッチョのワインコンサルタントから身を引くこととなった。
92年ヴィットーリオ・フィオーレが自身のワイナリーポッジョ・スカレッテをグレーヴェ・イン・キァンティに立ち上げる。


ポッジョ・スカレッテは当初、国内よりも国外に向けた国際的なワイナリーを目指し、エリアでありながらキァンティは造らずにサンジョヴェーゼからなるIGTカルボナイオーネをリリース。アメリカでは大手のWINEBOW社がエージェントを務め、ドイツ、スイス、日本など海外のマーケットを作りあげた。イタリア国内においては、親交のあったフィレンツェの3ツ星リストランテ“エノテカ・ピンキオッリ”のジョルジョ・ピンキオッリ氏が300本のみ独占販売することとなる。
95年ごろにエノテカ・ピンキオッリの独占販売をやめ、ようやく国内に流通し始めた。ピンキオッリには代わりにバリック熟成のメルロ―からなるピアントナイア、シャルドネのリッキアーリを限定1000本ずつ生産し、独占権を与えた。(近年もピンキオッリスタッフはカルボナイオーネの収穫を手伝いにくるなど、2人の親交は深い。)
ポッジョ・スカレッテは2009年ヴィンテージよりキァンティ・クラッシコのリリースを始める。
関連記事➡特集・植竹シェフと行く美食ツアーその1エノテカ・ピンキオッリでワインセレクト!
カステッルッチョ物語 第2部
1999年、ヴィットーリオは自身の心の拠り所であったカステッルッチョを兄弟と購入し、コンサルタントではなくオーナーとしてワイナリーを再建することになる。
2000年から2010年までパヴィアの大手BORIS社が国内販売のエージェント権を得て、エミリア・ロマーニャ州を中心に流通を拡大させた。ポッジョスカレッテとは反対に国内のみで十分のマーケットを築き上げていたカステッルッチョだったが、2010頃よりヴィットーリオ長男のロベルトをマーケティング担当に据えて輸出部門などを改変。
ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの2枚看板で国内・国外のマーケティングを行っていくこととなった。

ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョのワインを手にするヴィットーリオ・フィオーレ
2011年 ヴィットーリオ・フィオーレがシエナ・エノテカイタリアーナにてソムリエをしていた鈴木暢彦と出会う。東京のホテルニューオータニで行われたイベント、イタリアワインウィークの試飲会とセミナーのため来日同行。東京でお寿司やおでんを一緒に食べる。
2015年 鈴木暢彦がカステッルッチョのエージェントとなり日本の大手ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァンのインポート部にて独占輸入が決定、販売開始予定!
次回はいよいよワイナリーの畑、ワインの紹介!
つづく
前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州の南東部ロマーニャ地方にあるワイナリー、カステッルッチョの最新情報をお届けします。

ご覧のようにド田舎です。当日は天気にも恵まれ清々しい春の日でした!
山を進んでいくといくつかの畑を目にしました。

こちらの畑は皆さん何か想像できますでしょうか?
何とキウイの畑です。
あまり想像できなかったエミリア・ロマーニャ山岳部のキウイ栽培。あまりに信じられなくて?(ロベルトを疑ったわけでもないですが・・)昨日シエナのスーパーに並んでいたキウイの産地を確認してみるとそこには「FAENZAファエンツァ」との記載が。。!つまりこのエリアです。一つ勉強になりました。


ワイナリーにはワンちゃんがいることも多いですが、こちらカステッルッチョにも。
ラポ君です!到着するやいなやお出迎え、その後ロベルトの愛車ボルボのホイールにマーキングをしていました。


左は実質的なワイナリー運営責任者であり醸造家でもあるクラウディオ・フィオーレ。醸造家ヴィットーリオ・フィオーレの三男であり、四男アレッサンドロとの双子です。

フィオーレ家
左から次男ユーリ、三男クラウディオ、妻アドリアーナ、ヴィットーリオ、四男アレッサンドロ、長男ロベルト

次男のユーリはブルゴーニュの醸造学校を経て現在はトスカーナ州フィレンツェ県グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ責任者。三男のクラウディオはアルトアディジェにあるサンミケーレ農業学校で醸造学を学んだのちフリウリの名門リヴィオ・フェッルーガ社などのワイナリーで経験を積みカステッルッチョの責任者を務めます。
カステッルッチョ社とオーナー、ヴィットーリオ・フィオーレの歴史を簡単にご説明。
カステッルッチョ物語 第1部
1978〜1990年

Gian Vittorio Baldi
1970年代の終わり、映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏が土地を購入、新興ワイナリーとして創業。国内外で活躍していた醸造家ヴィットーリオ・フィオーレをコンサルタントに迎え、それまで主流でなかったクオリティーワインの生産に努める。国際的な情勢も視野に入れサンジョヴェーゼ以外にもわずかにソーヴィニョン・ブランやカベルネ・ソーヴィニョンも植える。(エミリア・ロマーニャ州で初めての植えられたソーヴィニョンではないかともいわれている。)
近年このエリアで成功を収めるゼルビーナ、パラディーゾ、サン・パトリニャーノなどのワイナリーの中でも先駆者的な存在として知られている。
80年代ソビエト連邦のゴルバチョフなどの要人を迎えたローマでの昼食会でカステッルッチョ社の究極のソーヴィニョンセレクション、RONCO DEL RE ロンコ・デル・レが振舞われた。
90年、バルディ氏はワイナリーの経営権を他者に譲りワイナリーも売却。ヴィットーリオ・フィオーレは約10年務め一時代を築いたカステッルッチョのワインコンサルタントから身を引くこととなった。
92年ヴィットーリオ・フィオーレが自身のワイナリーポッジョ・スカレッテをグレーヴェ・イン・キァンティに立ち上げる。


ポッジョ・スカレッテは当初、国内よりも国外に向けた国際的なワイナリーを目指し、エリアでありながらキァンティは造らずにサンジョヴェーゼからなるIGTカルボナイオーネをリリース。アメリカでは大手のWINEBOW社がエージェントを務め、ドイツ、スイス、日本など海外のマーケットを作りあげた。イタリア国内においては、親交のあったフィレンツェの3ツ星リストランテ“エノテカ・ピンキオッリ”のジョルジョ・ピンキオッリ氏が300本のみ独占販売することとなる。
95年ごろにエノテカ・ピンキオッリの独占販売をやめ、ようやく国内に流通し始めた。ピンキオッリには代わりにバリック熟成のメルロ―からなるピアントナイア、シャルドネのリッキアーリを限定1000本ずつ生産し、独占権を与えた。(近年もピンキオッリスタッフはカルボナイオーネの収穫を手伝いにくるなど、2人の親交は深い。)
ポッジョ・スカレッテは2009年ヴィンテージよりキァンティ・クラッシコのリリースを始める。
関連記事➡特集・植竹シェフと行く美食ツアーその1エノテカ・ピンキオッリでワインセレクト!
カステッルッチョ物語 第2部
1999年、ヴィットーリオは自身の心の拠り所であったカステッルッチョを兄弟と購入し、コンサルタントではなくオーナーとしてワイナリーを再建することになる。
2000年から2010年までパヴィアの大手BORIS社が国内販売のエージェント権を得て、エミリア・ロマーニャ州を中心に流通を拡大させた。ポッジョスカレッテとは反対に国内のみで十分のマーケットを築き上げていたカステッルッチョだったが、2010頃よりヴィットーリオ長男のロベルトをマーケティング担当に据えて輸出部門などを改変。
ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの2枚看板で国内・国外のマーケティングを行っていくこととなった。

ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョのワインを手にするヴィットーリオ・フィオーレ
2011年 ヴィットーリオ・フィオーレがシエナ・エノテカイタリアーナにてソムリエをしていた鈴木暢彦と出会う。東京のホテルニューオータニで行われたイベント、イタリアワインウィークの試飲会とセミナーのため来日同行。東京でお寿司やおでんを一緒に食べる。
2015年 鈴木暢彦がカステッルッチョのエージェントとなり日本の大手ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァンのインポート部にて独占輸入が決定、販売開始予定!
次回はいよいよワイナリーの畑、ワインの紹介!
つづく
nobufico at 03:33|Permalink│Comments(0)│
2015年04月23日
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その1
皆さん、こんにちは!シエナもいよいよ暖かくなって観光シーズン到来といった感じです。先日は、シエナのワインショップ“エンポリオ・メディテッラーネオ”のワインリスト用と日本へのワイン輸出のお仕事を兼ねて、トスカーナ州の北隣りに位置するエミリア・ロマーニャ州のワイナリー、カステッルッチョ社に日帰りで行ってきました。
このワイナリーは、トスカーナ州グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ社オーナーであり、長年にわたりイタリア、トスカーナ州のワインの質を向上させその価値を世界に知らしめた著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏が兄弟と数名の出資者とともに所有するもう一つのワイナリーで す。
カステッルッチョ
エミリア・ロマーニャ州 フォルリ・チェゼーナ県 モディリャーナ


(Wikipediaより)


当日はシエナより直通バスでボローニャにわたり(約2時間30分)、待ち合わせしたロベルトと合流。ロベルトはヴィットーリオ氏の4人の息子の長男で現在はポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの海外(アジア含む)のマーケティングを担当しています。
40分ほどでファエンツァに到着。ランチとなりました。お店はマリアナーツァという評判のお店に。




Mora Romagnola モーラ・ロマニョーラという地元の希少な豚のサラミ盛り合わせ。フォルリ・チェゼーナ・ラヴェンナあたりの古代豚だそうです。ネットでみてみると飼育されている雌300頭、雄150頭しかいないようです。(チェゼーナはサッカー長友選手が所属していたチーム、この地域の町です。)
まるでシエナの希少黒豚チンタ・セネーゼのようなブランドですね。 初めて知りましたが、旨みを感じる美味しいサラミでした。シエナのショップでも取り扱いたいなー(笑) ロマーニャ地方のサンジョヴェーゼ、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャをいただきました。ワインは、地域の他ワイナリーのものも味わってみたかったのでZERBINAゼルビーナ社のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャDOCスーペリオーレ・リゼルヴァ“ピエトラモーラ”を。
次回はカステッルッチョの最新ワイナリー情報をお届けします!
つづく
このワイナリーは、トスカーナ州グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ社オーナーであり、長年にわたりイタリア、トスカーナ州のワインの質を向上させその価値を世界に知らしめた著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏が兄弟と数名の出資者とともに所有するもう一つのワイナリーで す。
カステッルッチョ
エミリア・ロマーニャ州 フォルリ・チェゼーナ県 モディリャーナ


(Wikipediaより)
州名は、州西部から中部にかけての「エミリア 地方」と州東南部「ロマーニャ地方」を結んだものである。ロマーニャ地方はラヴェンナ県、フォルリ=チェゼーナ県、リミニ県一帯を指す。
「エミリア」地方は、古代ローマ時代に北イタリアの主要街道であったエミリア街道(Via Amilia)にちなむ。ピアチェンツァとリミニを結ぶ(リミニでフラミニア街道に接続しローマに至る)エミリア街道の名は、建設当時の執政官マルクス・アエミリウス・レピドゥスの名にちなんでいる[4]。「ロマーニャ」地方は、Romania という語から派生したもので、中世初期に東ローマ帝国がラヴェンナを中心としてこの地を支配したことによる。


当日はシエナより直通バスでボローニャにわたり(約2時間30分)、待ち合わせしたロベルトと合流。ロベルトはヴィットーリオ氏の4人の息子の長男で現在はポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの海外(アジア含む)のマーケティングを担当しています。
40分ほどでファエンツァに到着。ランチとなりました。お店はマリアナーツァという評判のお店に。




Mora Romagnola モーラ・ロマニョーラという地元の希少な豚のサラミ盛り合わせ。フォルリ・チェゼーナ・ラヴェンナあたりの古代豚だそうです。ネットでみてみると飼育されている雌300頭、雄150頭しかいないようです。(チェゼーナはサッカー長友選手が所属していたチーム、この地域の町です。)
まるでシエナの希少黒豚チンタ・セネーゼのようなブランドですね。 初めて知りましたが、旨みを感じる美味しいサラミでした。シエナのショップでも取り扱いたいなー(笑) ロマーニャ地方のサンジョヴェーゼ、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャをいただきました。ワインは、地域の他ワイナリーのものも味わってみたかったのでZERBINAゼルビーナ社のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャDOCスーペリオーレ・リゼルヴァ“ピエトラモーラ”を。
次回はカステッルッチョの最新ワイナリー情報をお届けします!
つづく
nobufico at 23:53|Permalink│Comments(0)│
2010年05月27日
DOC コッリ・ボロニェージ カベルネ・ソーヴィニョン
名称 | colli bolognesi DOC cabernet sauvignon |
収穫年 | 2004年 |
カテゴリー | DOC |
品種 | カベルネ・ソーヴィニョン種 |
生産地域 | エミリア・ロマーニャ州 生産者PODERE RIOSTO社 |
料理 | 肉系ソースのパスタ、肉のロースト |
コメント | カベルネらしい豊かな果実味と野菜の香り、プラム、カシス、スミレ、しっかりしたタンニン、スパイスなど |
日ごろから飲みやすいバランスの良いワインで、カベルネらしい濃い果実味と野菜の香りが印象的でした。
エノテカで売っているcolli bolognesi
http://www.enotecawineshop.it/w2d3/v3/view/
enotecawineshop/ricerca.html?nome_vino=colli+bolognesi&prezzo_da=&prezzo_
a=&anno_da=&anno_a=&select_tipo=&select_
regione=&nome_produttore=&btn_cerca_shop=cerca
ただいま仕事中!ENOTECA ITALIANA
http://www.enoteca-italiana.it/w2d3/v3/view/enoteca/enosito2="_blank">
nobufico at 05:07|Permalink│Comments(24)│
2010年03月15日
IGT フォルリ・ロッソ ”バルバロッサ・イル・ドッソ”
名称 | firli' rosso IGT "barbarossa il dosso" |
収穫年 | 2005年 |
カテゴリー | IGT |
品種 | バルバロッサ種 |
生産地域 | エミリア・ロマーニャ州 生産者FATTORIA PARADISO社 |
料理 |
コメント | 赤〜黒系の果実、鉄や血のニュアンス、スパイス、厚いアルコール感、しっかりした構成、程よいタンニン |
去年の夏にエミリア・ロマーニャのレッジョ・エミーリア(Reggio nell'Emilia)という町に友人を訪ねに遊びに行きました。そこで驚かされたことが、道に『牛乳の自販機』があるということです。
日本だと紙パックの牛乳の自販機はあると思いますが、違うんです。
この自販機は空の瓶を用意して、機械の中に入れると、絞りたての牛乳が注がれるというものなのです。これが本当に新鮮で生ミルクといったような印象でゴクゴクいけちゃいました。(笑)
さてそんなチーズや生ハムなどの生産も盛んなエミリア・ロマーニャでは西の地区で『ランブルスコ』、東では赤はサンジョヴェーゼ種、白はアルバーナ種からなるワインが有名です。中でも赤の発泡性の辛口のランブルスコは夏に少し冷やしてよく飲まれます。さらに生ハムや原産チーズとの相性もバッチリで、地ワインと食品のわかりやすい構図があります。
(まあ、僕の場合何でも合うけど)
今回のバルバロッサというのは、原地のかなり古い土着品種のようで、このワイナリー以外での取り扱いは無いようです。軽い飲み口のワインが多いエミリア・ロマーニャの中では、しっかりとした構成のワインでした。
(なんかこの文章を書きながら、また飲みたくなってきたなぁ^^;)
世界中のぶどう品種の6割があるというイタリアなので、まだまだ未知の品種と出会う機会はありそうです!
ただいま仕事中!ENOTECA ITALIANA
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nobufico at 01:21|Permalink│Comments(15)│