DOC
2012年12月06日
DOC アリアニコ・デル・ヴルトゥレ “ラ・フィルマ” CANTINE DEL NOTAIO

名称 | Aglianico del Vulture DOC "La Firma" |
収穫年 | 2007年 |
カテゴリー | DOC |
品種 | アリアニコ種 |
生産地域 | バジリカータ州ポテンツァ県 生産者CANTINA DEL NOTAIO社(FACEBOOK有り) |
料理 | セコンド全般、味わいのしっかりした肉の赤ワイン煮込み、熟成チーズ |
コメント | 黒チェリー、甘草、熟したプラム、ブラックペッパー、凝縮感のある、柔らかみ、強く重たい、しなやか、心地よい苦味と渋み、アルコール |
シエナの街もクリスマスのイルミネーションで彩られて、このシーズンならではの雰囲気で綺麗です。昨日は同僚とクリスマスのために社員にワインを配る企業にワインを配達してきました。2本入り箱170箱、3本入り85箱、6本入り35箱です!いい会社だなぁ^^
さて今回アップするのは、イタリアの南バジリカータ州の赤ワインです。
バジリカータ州はブーツ型でいうイタリア半島のくるぶしにあたる州です。石の町の世界遺産マテーラも有名。州都ポテンツァの北にあるヴルトゥレ火山に広がる原産地呼称地区がアリアニコ・デル・ヴルトゥレです。


バジリカータは西にカンパーニア、南にカラブリア、東はプーリアに囲まれている州。今回のアリアニコ・デル・ヴルトゥレはバジリカータ州の海側(南)ではなく北の内陸地区で、カンパーニア州の偉大な赤タウラージ(アリアニコ100%)の生産地区ともさほど遠くありません。
アリアニコ100%でポテンツァ県、リオネーロ・イン・ヴルトゥレとその周辺で生産が認められています。アルコール度の高い(よりしっかりしたボディの)スーペリオーレとスーペリオーレ・リゼルヴァ(樽熟成をよりしっかり行った)ものに限り2010年よりDOCGの登録となっています。数少ないバジリカータの銘柄の中でも誇るべき赤ワインと呼べるものです。
今回のラベルはバジリカータ州の雄、カンティーネ・デル・ノタイオ社のもの。彼らはアリアニコ・デル・ヴルトゥレの生産地区の中でもまさに中心地区で生産を行っているワイナリーで、アリアニコ・デル・ヴルトゥレで4つの赤ワインラベルがあります。バジリカータは白の生産は盛んではありませんが、彼らはフィアーノ、シャルドネ、ソーヴィニョンの混醸のラベルだけでなく、アリアニコを白醸造(ヴィニフィカート・イン・ビアンコ)したものにマルヴァジアやモスカート、シャルドネで構成した白ワインのラベルなども生産。さらに甘口やスパークリングも生産するなど意欲的です。
ラ・フィルマはバリック樽、500L樽で12ヶ月の熟成後、瓶内で12ヶ月熟成後出荷となります。南の太陽をしっかり浴びて熟したアリアニコからなる、アルコール感のあるワイン。食事を通すということもできますが、セコンドのしっかりした味わいの肉料理に照準を絞れるパフォーマンスのある赤といえそうです。渋みや苦味も心地よく、小樽での熟成によってすでにまとまりがあって上品な飲み口でした。バジリカータの土地を感じるアリアニコをご機会があればぜひ!
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nobufico at 23:37|Permalink│Comments(20)│
2012年10月11日
DOC ガビアーノ リゼルヴァ “ア・マティルデ・ジュスティニアーニ” CASTELLO DI GABIANO

名称 | Gabiano DOC riserva "A MATILDE GIUSTINIANI" |
収穫年 | 2006年 |
カテゴリー | DOC |
品種 | バルベーラ95%、フレイザ5% |
生産地域 | ピエモンテ州アレッサンドリア県ガビアーノ 生産者CASTELLO DI GABIANO社(FACEBOOK有り) |
料理 | 赤身肉のグリル、ロースト、半熟成・熟成チーズなど |
コメント | ベリー系の凝縮感のある果実味、スミレ、黒胡椒などのスパイス、ピーマン、しっかりしたタンニン、バランスのよい、上品、程よい切れの良い |
さて今回はピエモンテ州よりDOCの赤ワインのご紹介です。
原産地呼称・・・ガビアーノ(1983年DOC登録)
地区・・・アレッサンドリア県のガビアーノおよびモンチェスティーノ
ブドウ品種・・・バルベーラ種90〜95%+フレイザ種、グリニョリーノ種で5〜10%


ポー川の近郊のガビアーノ地区
ピエモンテ州のバルベーラを主体とする辛口ですが、かなり小さな区にある原産地呼称ワインです。生産者カステッロ・ディ・ガビアーノの紹介によるとイタリア全国でも最も小さく、古い歴史を持つDOC(原産地呼称認定)地区の1つだそうです。
エリアが小さいということは、生産者が少ないということ。知られざる銘醸地区の1つといえます。
8世紀ごろの歴史的文献にガビアーノのワインについての記述があるそうです。
カッタネオ・アドルノ・ジュスティニアーニ家はこの地に260ヘクタールの土地を所有し、そのうち20ヘクタールがブドウ畑。ポー川、モンフェッラート地区を見据えるガビアーノ城を所有し、ワイナリー名(カステッロ・ディ・ガビアーノ)となっています。
今回のワインはバルベーラ主体ということでしたが、少しピーマンのようなニュアンスも。しっかりとした熟成を行っている樽の香り、黒胡椒などもあります。タンニンやアルコール感もしっかりしてるのですが、キレがよくしつこさのない上品さがあります。70%がバリック樽(225L)、30%が大樽熟成で2年。6ヶ月のボトル内熟成。

マティルデ・ジュスティニアーニ妃へ
かつてこのガビアーノ城に輝きをもたらしたマティルデ妃の情熱は常にブドウ畑にありました。特にこのリゼルヴァワインが生産される歴史ある畑に。。
より良い年にだけ生産されるDOCガビアーノの誇り。
カステッロ・ディ・ガビアーノ生産ラベル
興味ある方はFACEBOOK上でガビアーノワイナリーの写真を見ることもできます。マイナー地区とは思えない美しさのあるワイナリー、子供たちが収穫を楽しむ写真もいい雰囲気です!
エノテカで売っているGABIANOのワイン
お知らせ
10月12日〜14日にシエナホテル“ガーデン”にて第10回トスカーナワイン選考会→前回2年前の記事こちら
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nobufico at 07:23|Permalink│Comments(12)│
2012年09月16日
DOC ロッソ・ピチェーノ スーペリオーレ “ロッジョ・デル・フィラーレ” VELENOSI

名称 | Rosso Piceno DOC Superiore "ROGGIO DEL FILARE" |
収穫年 | 2006年 |
カテゴリー | DOC |
品種 | モンテプルチアーノ種、サンジョヴェーゼ種 |
生産地域 | マルケ州アスコリ・ピチェーノ県 生産者VELENOSI社(FACEBOOK有り) |
料理 | ラザーニャ、子豚の丸焼き(ポルケッタ)、子羊のグリルなど |
コメント | カシス、ブラックチェリー、スミレの花、腐葉土、ココアパウダー、スムーズなアタック、溶けていく印象、まとまりのある果実味、落ち着いた酸味、しなやかな芯のある、飲み頃 |
近況ですが、来週は木曜日〜日曜日までフィレンツェでイベントのため忙しくなりそうです。金曜だけはシエナに残り、カンポ広場にある市庁舎で重要な夕食会のサービスの仕事もあります。
イベントもちょこちょこアップしていきたいと思います!
さて今回ご紹介するワインは中部マルケ州の赤の辛口です!原産地呼称ロッソ・ピチェーノDOC。
1968年にDOC登録。(かなり初期ですね)
ブドウ品種規制は、モンテプルチアーノ種が35%〜70%、サンジョヴェーゼ種が30〜50%、地品種が15%まで。(サンジョヴェーゼ85%以上でサジョヴェーゼ表示)
マルケ州のアンコーナ県、マチェラータ県、アスコリ・ピチェーノ県などの広い範囲で生産されます。
今回のボトルは南側アスコリ・ピチェーノ県の生産区にあるヴェレノージ社のものです。


アブルッツォ州のDOCGモンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネのテーラモからも程近いマルケ州の南に位置する地区。西はサグランティーノ種でも知られるモンテファルコのあるウンブリア州が隣接しています。
DOC MONTEFALCO ROSSO 2006
生産者 TERRE DE LA CUSTODIA
DOCG SAGRANTINO DI MONTEFALCO 2004
生産者 MADONNA ALTA
今回のヴェレノージ社の“ロッジョ・デル・フィラーレ”は去年の11月に東京で行ったエノテカイタリアーナのセミナー&試飲会でも醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏とエノテカイタリアーナのセレクトとしてリスト入りしたボトル。モンテプルチアーノとサンジョヴェーゼで、18ヶ月のバリック熟成。味わいは繊細かつ芯のあるワインで、やさしく柔らかい口当たり。味わいのバランスがすばらしく、コストパフォーマンスもかなり良いと思います。
ヴェレノージ社は1984年から自社生産を始め、93年にこのロッジョをリリース。一躍全国にロッソ・ピチェーノの名を知らしめる重要なラベルとなりました。ほかに約20ラベルほどのラインがあり、白用のペコリーノ種、ヴェルディッキオ種、シャルドネ種、パッセリーナ種、DOCGオッフィダ(ペコリーノ)や赤ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバDOC、アブルッツォ州の畑ではモンテプルチアーノ・ダブルッツォなど、さまざまなボトルを生産しています。
デツィ社もお気に入りですがヴェレノージの今回の赤も秀逸!
DOC ROSSO PICENO SUPERIORE "CAMPO DELLE MURA" 2003
生産者 MONCARO
DOC LACRIMA DI MORRO D'ALBA 2007
生産者 LUCCHETTI
IGT MARCHE ROSSO "REGINA DEL BOSCO" 2004
生産者 FATTORIA DEZI
お知らせ
9月20日〜23日にフィレンツェで行われるEXPO RURALE2012のイベントにエノテカイタリアーナとして参加予定。→EXPO RURALE 2012公式サイト(イタリア語)
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nobufico at 08:00|Permalink│Comments(15)│
2012年09月10日
DOC コペルティーノ リゼルヴァ “ディヴォート” APOLLONIO

名称 | Copertino Rosso Riserva DOC "DIVOTO" |
収穫年 | 2001年 |
カテゴリー | DOC |
品種 | ネグロアマーロ種70%、モンテプルチアーノ種30% |
生産地域 | プーリア州レッチェ県コペルティーノ 生産者APOLLONIO社(FACEBOOK有り) |
料理 | しっかりした味付けのパスタ、赤身肉のグリル |
コメント | なめらかでビロードのような、ジューシーな果実味、熟したチェリー、イチジク、プラム、ピンクペッパー、漢方、丁子、甘草、ヴァニラ、糖を感じる、やわらかいタンニン |
ワイン法では・・
地元のネグロアマーロ種が70〜100%、マルヴァジア・ネーラ・ディ・レッチェ、マルヴァジア・ネーラ・ディ・ブリンディジ、モンテプルチアーノ、サンジョヴェーゼの4種が認定品種で30%まで(サンジョヴェーゼは15%まで)混醸できます。
※マルヴァジア・ネーラはマルヴァジア種の黒ブドウ、いわゆる赤用の品種。マルヴァジア・ビアンカが白用。レッチェの土地のものとブリンディジの土地のもので区別されているようです。
生産地区は、レッチェ県のコペルティーノおよび周辺のカルミナーノ、アルネサーノ、モンテローニなど。
また12時間から24時間の果皮からの色素抽出でのロゼが認められています。これはマチェラチオーネ(マセラシオン)で”赤”になるだいぶ手前でやめるということ。
赤のリゼルヴァは最低2年の熟成が義務。



今回のアポッローニオ社の“ディヴォート”はネグロアマーロ種70%、モンテプルチアーノ種30%。2年のフランス樽熟成の後、1年のボトル内熟成となっています。ただそのまますぐに出荷するというわけではなく、十分な落ち着きとまとまりが出てきた頃合に出荷しているようです。
今回のボトルは2001年ですが、乾いた印象はそこまで強く感じず、スムーズでジューシーな果実味が充実しています。糖や甘草などの香りもあるので、渇きがあって渋みや苦味が強い赤ワインを得意でない方でも楽しめる南の熟成赤ワインといえそうです。エノテカでもグラスで試された人たちの評判がかなり良い!
アポッローニオ社は4代つづくプーリアを代表するワイナリーで20近くのラベルを生産していますが、今回のコペルティーノ・リゼルヴァ“ディヴォート”はフラッグシップというべきもの。
他には
サリーチェ・サレンティーノDOC(ネグロアマーロ、マルヴァジア・ディ・レッチェ、マルヴァジア・ディ・ブリンディジ)
スクインツアーノDOC(ネグロアマーロ、サンジョヴェーゼ、マルヴァジア・ディ・レッチェ、マルヴァジア・ディ・ブリンディジ)
また樽熟成を1年行うネグロアマーロ種100%のロゼや、彼らのプレミアボトルというべき、IGTサレント“ヴィーニャ・ヴィトゥリッリ・グランデ”という長熟赤ワインがあります。
(プリミティーヴォ50%、アレアティコ30%、ネグロアマーロ20%で72ヶ月樽熟成、12ヶ月ボトル内熟成)

過去記事のIGTサレント“レ・ブラーチ”を擁するモナチもコペルティーノの生産者。南の赤ワインに手を出したことがない方や今まであまりいい印象をお持ちでない方はぜひ両方とも試してみてくださいね!
プーリア参考過去記事
DOC SALICE SALENTINOROSSO "RIMITONE DEI GRECI" 2004
生産者 CANTINE PAOLO LEO
IGT SALENTO "LE BRACI" 2001
生産者 AZIENDA MONACI
DOP GIOIA DEL COLLE PRIMITIVO RISERVA "TURITTO" 2006
生産者 CANTINA GENTILE
IGT ROSSO DEL SALENTO "NERO" 2007
生産者 CONTI ZECCA
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nobufico at 06:42|Permalink│Comments(15)│
2012年07月12日
DOC リヴィエラ・リーグレ・ディ・ポネンテ ヴェルメンティーノ CALVINI

名称 | Riviera Ligure di Ponente DOC Vermentino |
収穫年 | 2011年 |
カテゴリー | DOC |
品種 | ヴェルメンティーノ種 |
生産地域 | リグーリア州サヴォーナ県 生産者CALVINI社 |
料理 | レモンを使ったアンティパスト、魚介のフライ、ジェノヴェーゼ |
コメント | 青々しい、爽快な酸、若いフレッシュな、ミネラル、レモンなどのみずみずしい果実味、白い花、スマートなワイン |
またちょこっと長ったらしい名前・・。でも意味を考えるとより理解しやすいと思います。
リヴィエラというのは“海岸“という意味。
リーグレはリグーリアの形容詞で“リグーリアの”という意味。
ポネンテは“西側”という意味です。
つまりリヴィエラ・リーグレ・ディ・ポネンテとは、DOC呼称『西リグーリア海岸』ということです。
西があるなら東もある。当然ですが、ポネンテとは逆の東方面“LEVANTEレヴァンテ”もあります。このリグーリアの海岸は州都ジェノヴァを境に西海岸(リヴィエラ・ディ・ポネンテ)、東海岸(リヴィエラ・ディ・レヴァンテ)と分けられています。
西海岸はジェノヴァからフランスの国境手前まで。東はジェノヴァからトスカーナ州手前のラ・スペツィアまでです。

ジェノヴァの西サヴォーナ県、インペリア県の海岸にまたがりDOC地区リヴィエラ・リーグレ・ディ・ポネンテは広がっています。品種はヴェルメンティーノのほかピガート、赤でロッセーゼ(いずれも95%以上使用)というものがあります。
以前このDOCではオルメアスコ(オルメアスコ種かドルチェット種主体)というタイプがあったようですが、2003年に別DOCとして独立しました。
アルコール感も重たくなく冷やしてスッキリと爽快な酸と果実味をスマートに味わえる地元の白です。カルヴィーニは代々続く地元農家でサンレーモの市場で丹念に育て上げたフルーツや野菜、オリーヴを販売。弱冠19才にして父を亡くし、家族を支えてきたルイージ・カルヴィーニが1983年より造り出しているのがこのワインです。
いままでも、そしてこれからもこの土地のワインは彼そして彼の家族によって造られていくことでしょう。
エノテカで売っているCALVINI社のワイン
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7月13日〜15日にトスカーナ、ムジェッロで行われるモトGPにエノテカイタリアーナとして参加してきます。→詳しくはコチラ
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