ワイナリー訪問

2015年05月14日

エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その3

皆さん、こんにちは!
シエナは観光シーズンで賑やかになってきました!さて、前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州ロマーニャ地方のワイナリー、カステッルッチョのワインをご紹介!

前回までのおさらい
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その1
エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その2


カステッルッチョ社

エミリア・ロマーニャ州のフォルリとファエンツァの間に広がるモディリァーナの丘陵地帯(標高250m〜500m)にカステッルッチョはあります。
 
ロマーニャ 














上の地図をご覧いただくとモディリァーナの近くまで黒い線が引いてあります。これがトスカーナ州とエミリア・ロマーニャ州との境になっているわけなんですが・・・

Biblioteca_marucelliana,_provincia_di_firenze_nel_1924




 



















昔のトスカーナ州の地図。


モディリァーナ



 













実は1930年ごろまでは、このモディリァーナ地区やフォルリの町の手前の地区はトスカーナ州の一部だったのです。(フィレンツェ県)  そのためこの地区はアンティーカ・トスカーナ(古のトスカーナ)とも呼ばれます。大変マニアックな情報。



DSCF3135
















DSCF3103





























糸杉こそありませんが、この太陽と緑広がる丘陵地は通ずるものがありますね!実際、このロマーニャ地方はサンジョヴェーゼの名醸地として有名です。

土壌は、粘土質の層や石灰石からなる堆積岩。
石や砂質、シルト岩(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)などの土壌と比べて、水が浸透するのにやや時間がかかり、雨が降った後は畑に入るのに2日ほど待たないとなりません。収穫の時期は大変神経を使います。

DSCF3105 























ソーヴィニョン・ブランの畑はアルベレッロという仕立て方。この土地特有の強い風にも対応できるようにこの仕立て方で植えられたとのことです。ブドウの房が木の周りに着くので収穫や選定が大変です。


カステッルッチョ社

所有面積 50ha

ほぼ森や耕地

オリーブ畑2ha

ブドウ畑は15ha。

サンジョヴェーゼ種が約13ha。

1〜1.5haのソーヴィニョン・ブラン

0.5haのカベルネ・ソーヴィニョン

となっています。

また大きな特徴として、高傾斜の畑。なんと角度40度。上から下へ収穫などの作業を行います。
良い日照を1日浴びながら、500mという標高の高さからなるほどよい冷涼な気候のおかげで
ゆっくりとブドウを完熟できます。

さらに海から30kmという位置で海からの風をダイレクトに受け止めるポジション。北東からはBORAボーラ。北西からはMAESTRALEマエストラーレという風を拾えます。

良いワイン丘陵地には良い風があるというのはよく目にしてきました。風の広がる丘というような名前のワイン名を耳にする機会もあるのではないでしょうか?イタリア語で風をヴェントといいます。(ポッジョ・アル・ヴェント、ヴェントライオなど)
温度の調整や湿気の除去・乾燥、新鮮な空気の移動、潮風など、クオリティーワインづくりには“良い風”の存在が欠かせません。
 
DSCF3111
 























こちらはサンジョヴェーゼの畑、トスカーナでよく見るコルドーネ・スペロナートという垣根式の仕立て方となっています。

ブドウの樹の列の間に草花が生い茂っています。雨が降った時に土が地滑りしないようにするという効果もあるそうです。

DSCF3113




 












DSCF3125



























左から
Massicone マッシコーネ (カベルネ・ソーヴィニョンとサンジョヴェーゼ)
Ronco dei Ciliegi ロンコ・デイ・チリエージ (サンジョヴェーゼ)
Ronco delle Ginestre ロンコ・デッレ・ジネストレ(サンジョヴェーゼ)
Le More レ・モーレ(サンジョヴェーゼ)
白 Lunaria ルナリア(ソーヴィニョン・ブラン)
白 Ronco del Re ロンコ・デル・レ (ソーヴィニョン・ブラン)


Massicone マッシコーネ 
名付けて モダン熟成ブレンド スーパーアンティーカトスカーナ
 
年間生産本数 5000本
カベルネ・ソーヴィニョン 50%
サンジョヴェーゼ 50%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 カベルネ・ソーヴィニョンは新樽バリック(225l)、サンジョヴェーゼはトンノー(350l)で12カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵


Ronco dei Ciliegi ロンコ・デイ・チリエージ 
名付けて 女性的でエレガントなサンジョヴェーゼロマーニャ

畑 クリュ単一畑 ロンコ・デイ・チリエージ
年間生産本数 15000〜20000本
サンジョヴェーゼ 100%(実が大きいタイプ)
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 トンノー(350l)で10カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵


Ronco delle Ginestre ロンコ・デッレ・ジネストレ
名付けて 男性的でアグレッシブなサンジョヴェーゼ

畑 クリュ単一畑 ロンコ・デッレ・ジネストレ
年間生産本数 5000本
サンジョヴェーゼ 100%(実が小さいタイプ)
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 5000kgのブドウ(非常に低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 トンノー(350l)で12カ月ほど。ブレンド後、少なくともボトル内で10カ月の貯蔵

Le More レ・モーレ
名付けて ロマーニャ人が毎日飲むベースサンジョヴェーゼ 

年間生産本数 50000本
サンジョヴェーゼ 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 7000kgのブドウ(ベースワインとしてはとても低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで28〜30℃
熟成 少なくともボトル内で2カ月の貯蔵

DSCF3126










































Lunaria ルナリア

名付けて オレンジピール芳香性高いロマーニャ型ソーヴィニョン

年間生産本数 10000本
ソーヴィニョン・ブラン 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 7000kgのブドウ(ベースワインとしては低いです)
アルコール発酵 ステンレスタンクで18〜20℃
熟成 少なくともボトル内で2カ月の貯蔵

Ronco del Re ロンコ・デル・レ
名付けて 究極のアンティーカ・トスカーナ 熟成ソーヴィニョン・ブラン

畑 クリュ単一畑 ロンコ・デル・レ 0.5ha
年間生産本数 たった1500本 幻のワインといっても過言ではありません
ソーヴィニョン・ブラン 100%
粘土質堆積岩
収穫 1haあたり 4000kgのブドウ(とてつもなく低いです)
アルコール発酵 トンノー(350l)
熟成 新樽トンノー(350l)で10カ月ほど。少なくともボトル内で10カ月の貯蔵

2015年出荷のロンコ・デル・レは2008年物。なんとブルネッロなどの熟成赤ワインよりも遅く出荷される熟成白ワイン。


DSCF3127
名称IGT Forli sauvignon blanc "RONCO DEL RE"
収穫年2007年
カテゴリーIGT
品種ソーヴィニョン・ブラン種100%
生産地域エミリア・ロマーニャ州フォルリ・チェゼーナ県
生産者CASTELLUCCIO
料理ロブスターレモンバター、脂ののった魚系のグリルなど
コメント境地にたどり着いた完成系白ワイン。ソーヴィニョン・ブラン特有の青々しさ、ハーブや切りたての草のフレッシュな香りは感じず。次の次元に進化したかのような熟成ソーヴィニョン。まだまだみずみずしさもあり、とにかく酸と糖の心地よい究極のバランス感があります。



ワイナリーに訪問したのは先月ですが、その数週間前、当時のワイナリー創立者で映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏がお亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈り申し上げます。
お会いすることはありませんでしたが、彼が立ち上げ、ヴィットーリオとともにエミリア・ロマーニャのイノベーションを起こしたワイナリーを今、日本にご紹介することを誇りに思います。

ヴィットーリオ・フィオーレの珠玉のロマーニャ・ワイン

日本のレストラン関係の皆様、限定本数で各ラベル日本上陸いたします。

間もなく販売可能となりますのでお問い合せ・お見積り・ご注文お待ちしています。

nobuhiko@emporiomed.it


鈴木暢彦



nobufico at 08:13|PermalinkComments(0)

2015年04月26日

エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その2

皆さんこんにちは!
前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州の南東部ロマーニャ地方にあるワイナリー、カステッルッチョの最新情報をお届けします。

DSCF3085















ご覧のようにド田舎です。当日は天気にも恵まれ清々しい春の日でした!

山を進んでいくといくつかの畑を目にしました。

DSCF3083














こちらの畑は皆さん何か想像できますでしょうか?

何とキウイの畑です。

あまり想像できなかったエミリア・ロマーニャ山岳部のキウイ栽培。あまりに信じられなくて?(ロベルトを疑ったわけでもないですが・・)昨日シエナのスーパーに並んでいたキウイの産地を確認してみるとそこには「FAENZAファエンツァ」との記載が。。!つまりこのエリアです。一つ勉強になりました。

DSCF3089















DSCF3090

















ワイナリーにはワンちゃんがいることも多いですが、こちらカステッルッチョにも。

ラポ君です!到着するやいなやお出迎え、その後ロベルトの愛車ボルボのホイールにマーキングをしていました。

DSCF3091















DSCF3099















左は実質的なワイナリー運営責任者であり醸造家でもあるクラウディオ・フィオーレ。醸造家ヴィットーリオ・フィオーレの三男であり、四男アレッサンドロとの双子です。

famigliavittorio














フィオーレ家
左から次男ユーリ、三男クラウディオ、妻アドリアーナ、ヴィットーリオ、四男アレッサンドロ、長男ロベルト

DSCF3123
 


















次男のユーリはブルゴーニュの醸造学校を経て現在はトスカーナ州フィレンツェ県グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ責任者。三男のクラウディオはアルトアディジェにあるサンミケーレ農業学校で醸造学を学んだのちフリウリの名門リヴィオ・フェッルーガ社などのワイナリーで経験を積みカステッルッチョの責任者を務めます。

カステッルッチョ社とオーナー、ヴィットーリオ・フィオーレの歴史を簡単にご説明。

カステッルッチョ物語 第1部

 1978〜1990年

gianvittoriobaldi
 







Gian Vittorio Baldi


1970年代の終わり、映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏が土地を購入、新興ワイナリーとして創業。国内外で活躍していた醸造家ヴィットーリオ・フィオーレをコンサルタントに迎え、それまで主流でなかったクオリティーワインの生産に努める。国際的な情勢も視野に入れサンジョヴェーゼ以外にもわずかにソーヴィニョン・ブランやカベルネ・ソーヴィニョンも植える。(エミリア・ロマーニャ州で初めての植えられたソーヴィニョンではないかともいわれている。)
近年このエリアで成功を収めるゼルビーナ、パラディーゾ、サン・パトリニャーノなどのワイナリーの中でも先駆者的な存在として知られている。

80年代ソビエト連邦のゴルバチョフなどの要人を迎えたローマでの昼食会でカステッルッチョ社の究極のソーヴィニョンセレクション、RONCO DEL RE ロンコ・デル・レが振舞われた。

90年、バルディ氏はワイナリーの経営権を他者に譲りワイナリーも売却。ヴィットーリオ・フィオーレは約10年務め一時代を築いたカステッルッチョのワインコンサルタントから身を引くこととなった。

92年ヴィットーリオ・フィオーレが自身のワイナリーポッジョ・スカレッテをグレーヴェ・イン・キァンティに立ち上げる。

poggio scalette








49_660












ポッジョ・スカレッテは当初、国内よりも国外に向けた国際的なワイナリーを目指し、エリアでありながらキァンティは造らずにサンジョヴェーゼからなるIGTカルボナイオーネをリリース。アメリカでは大手のWINEBOW社がエージェントを務め、ドイツ、スイス、日本など海外のマーケットを作りあげた。イタリア国内においては、親交のあったフィレンツェの3ツ星リストランテ“エノテカ・ピンキオッリ”のジョルジョ・ピンキオッリ氏が300本のみ独占販売することとなる。
95年ごろにエノテカ・ピンキオッリの独占販売をやめ、ようやく国内に流通し始めた。ピンキオッリには代わりにバリック熟成のメルロ―からなるピアントナイア、シャルドネのリッキアーリを限定1000本ずつ生産し、独占権を与えた。(近年もピンキオッリスタッフはカルボナイオーネの収穫を手伝いにくるなど、2人の親交は深い。)
ポッジョ・スカレッテは2009年ヴィンテージよりキァンティ・クラッシコのリリースを始める。

関連記事➡特集・植竹シェフと行く美食ツアーその1エノテカ・ピンキオッリでワインセレクト!


カステッルッチョ物語 第2部

1999年、ヴィットーリオは自身の心の拠り所であったカステッルッチョを兄弟と購入し、コンサルタントではなくオーナーとしてワイナリーを再建することになる。

2000年から2010年までパヴィアの大手BORIS社が国内販売のエージェント権を得て、エミリア・ロマーニャ州を中心に流通を拡大させた。ポッジョスカレッテとは反対に国内のみで十分のマーケットを築き上げていたカステッルッチョだったが、2010頃よりヴィットーリオ長男のロベルトをマーケティング担当に据えて輸出部門などを改変。
ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの2枚看板で国内・国外のマーケティングを行っていくこととなった。

vittoriofiore



















ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョのワインを手にするヴィットーリオ・フィオーレ

2011年 ヴィットーリオ・フィオーレがシエナ・エノテカイタリアーナにてソムリエをしていた鈴木暢彦と出会う。東京のホテルニューオータニで行われたイベント、イタリアワインウィークの試飲会とセミナーのため来日同行。東京でお寿司やおでんを一緒に食べる。

2015年 鈴木暢彦がカステッルッチョのエージェントとなり日本の大手ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァンのインポート部にて独占輸入が決定、販売開始予定!

次回はいよいよワイナリーの畑、ワインの紹介!

つづく

 

nobufico at 03:33|PermalinkComments(0)

2015年04月23日

エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その1

皆さん、こんにちは!シエナもいよいよ暖かくなって観光シーズン到来といった感じです。先日は、シエナのワインショップ“エンポリオ・メディテッラーネオ”のワインリスト用と日本へのワイン輸出のお仕事を兼ねて、トスカーナ州の北隣りに位置するエミリア・ロマーニャ州のワイナリー、カステッルッチョ社に日帰りで行ってきました。

このワイナリーは、トスカーナ州グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ社オーナーであり、長年にわたりイタリア、トスカーナ州のワインの質を向上させその価値を世界に知らしめた著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏が兄弟と数名の出資者とともに所有するもう一つのワイナリーで す。


カステッルッチョ
エミリア・ロマーニャ州 フォルリ・チェゼーナ県 モディリャーナ

logo_Castelluccio







エミリアロマーニャ境界
 











(Wikipediaより)

州名は、州西部から中部にかけての「エミリアイタリア語版地方」と州東南部「ロマーニャ地方」を結んだものである。ロマーニャ地方はラヴェンナ県、フォルリ=チェゼーナ県、リミニ県一帯を指す。

「エミリア」地方は、古代ローマ時代に北イタリアの主要街道であったエミリア街道(Via Amilia)にちなむ。ピアチェンツァとリミニを結ぶ(リミニでフラミニア街道に接続しローマに至る)エミリア街道の名は、建設当時の執政官マルクス・アエミリウス・レピドゥスの名にちなんでいる[4]。「ロマーニャ」地方は、Romania という語から派生したもので、中世初期に東ローマ帝国ラヴェンナを中心としてこの地を支配したことによる。
 

ワイナリーはファエンツァ、フォルリから近いモディリァーナという山岳、丘陵地帯。トスカーナからアペニン山脈をまたいだ反対側というところ。

エミリア










ロマーニャ










当日はシエナより直通バスでボローニャにわたり(約2時間30分)、待ち合わせしたロベルトと合流。ロベルトはヴィットーリオ氏の4人の息子の長男で現在はポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの海外(アジア含む)のマーケティングを担当しています。

40分ほどでファエンツァに到着。ランチとなりました。お店はマリアナーツァという評判のお店に。

DSCF3068



















DSCF3079



















DSCF3080











DSCF3070



















Mora Romagnola モーラ・ロマニョーラという地元の希少な豚のサラミ盛り合わせ。フォルリ・チェゼーナ・ラヴェンナあたりの古代豚だそうです。ネットでみてみると飼育されている雌300頭、雄150頭しかいないようです。(チェゼーナはサッカー長友選手が所属していたチーム、この地域の町です。)
まるでシエナの希少黒豚チンタ・セネーゼのようなブランドですね。 初めて知りましたが、旨みを感じる美味しいサラミでした。シエナのショップでも取り扱いたいなー(笑) ロマーニャ地方のサンジョヴェーゼ、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャをいただきました。ワインは、地域の他ワイナリーのものも味わってみたかったのでZERBINAゼルビーナ社のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャDOCスーペリオーレ・リゼルヴァ“ピエトラモーラ”を。

次回はカステッルッチョの最新ワイナリー情報をお届けします!

つづく 

nobufico at 23:53|PermalinkComments(0)

2013年02月23日

特集・植竹シェフと行く美食ツアーその4 バローロ、サンドローネ訪問!

皆さんこんにちは!

植竹シェフといく美食&ワイナリーツアーも後半!
午前中のバルバレスコ“ガヤ”の訪問後、バローロ“ルチアーノ・サンドローネ”でランチ試飲会です!

IMG_2512
名称Barolo DOCG "CANNUBI BOSCHIS"
収穫年2008
カテゴリーDOCG
品種ネッビオーロ種
生産地域ピエモンテ州クーネオ県バローロ
生産者LUCIANO SANDRONE
料理しっかりした味わいのセコンド、ジビエ、熟成チーズ
コメント
バローロ地区の中心部に畑を所有する“ルチアーノ・サンドローネ”は1978年に設立されました。

テロワール、伝統と近代醸造技術、クオリティーを求める意思によってサンドローネのワインは生産されています。

過去記事→バローロ

バローロは250以上の生産者たち(ボトル詰めも行う生産者)がいます。

IMG_2501
















とても綺麗な佇まいのワイナリー!

IMG_2507



















プランツォ(ランチ)の部屋に案内されて入ってみると、オーナーのルチャーノさんがいらっしゃいました。
なにやら作業をしていますが、これは少量のワインをグラスに入れて、グラスごとに移して行き、味(香り)をグラスの内側に馴染ませているのです。(グラス自体の香りを消してよりワインの香りを引き立たせる)オーナー自らそんな心遣いをするなんて・・感無量です!

IMG_2515




















IMG_2516




















IMG_2539



















なんとナプキンにつつまれたラヴィオリ^^ルチャーノさんのお手製です!

IMG_2504
















試飲に用意されたワインはなんと5本!
Dolcetto d'Alba 2011 ドルチェット種
Nebbiolo d'Alba 2010 ネッビオーロ種
Barbera d'Alba 2010 バルベーラ種
Barolo "Le Vigne" 2008 ネッビオーロ種
Barolo "Cannubi Boschis" 2008 ネッビオーロ種

IMG_2552
















手前はお嬢さんのバルバラさん。
食事を楽しみながら、バローロ地区のお勉強!トスカーナと違うのは、ワインの生産において畑や地区名の認識(意識)が高いこと。地図で色分けされていますが、バローロのクリュ(例えばCEREQUIOチェレクイオ,CANNUBIカンヌービ,BUSSIAブッシアなど)は全部で170以上あります!そんなに多いんですね!?知りませんでした!

barolomap


























バローロのマップです!
サンドローネのワイナリーは村の中心近くの、カンヌービにあります。
カンヌービの畑にも名前がつけられています。
「MUSCATEL」
「S.LORENZO」
「VALLETTA」
「BOSCHIS」
となっています。
僕が指をさしているところは、とある有名な生産者の畑のところです!(次回登場しますよ!)

IMG_2560
















食後は畑とカンティーナを見せていただきました。
写真はワイナリーのすぐ裏手に広がるカンヌービの畑!

ガヤさんでもサンドローネさんでも言われたことが、「あなたたちは、とても運がいい!なぜならこんなに良い天気だから」
通常このあたりは天気がこのように晴れ渡ることは少ないそうです。さらによく霧(イタリア語でネッビア)もでているとのこと。
これらの霧からネッビオーロという品種名がついたといわれるほどです。
連日本当に天気に恵まれよかった^^

ただバルバラさんは雪に降ってほしがってました。そうすることで冬季、土壌の地下に水分が貯まってブドウの生育期にも良い効果を与えるとか。なるほど!生育期は雨は少ないほう(少なすぎてもだめ)が良いけど、地下の水分は無きゃ困るってことですね。これはトスカーナももちろん同じです!

IMG_2572
















とても近代的な醸造所。工程は上の階から下の階にワインを移していく重力式。
(つまりポンプでワインをタンクから移動させるのではなくて、なるべく重力で上から下へ流すやり方。余計なストレスをワインに与えない目的)
ドルチェット以外のボトルは全て木の樽熟成が行われますが、バリック(225L)ではなくトノーというフランス製の500Lの樽を使用します。
バローロ、カンヌービ・ボスキスは24ヶ月のトノー、20ヶ月のボトル内熟成。

IMG_2588
















バルバラさんの案内でセラーの奥の部屋へ。
ここはとても特別なボトルのセラーとのこと。よく見てみるとボトルにはラベルがまだしてありません。

IMG_2587





























実は毎年のバローロの生産の約10%はこのセラーに置かれ、8〜10年ほど経った時に初めてラベルが与えられ出荷となります。
これは「SIBI ET PAUCIS」(シビ・エ・パウチス)というプロジェクトで、本来熟成した状態で飲まれるべきバローロの本質を求めたアイデアだそうです。つまり、長期間サンドローネのワイナリーの管理下でゆっくり熟成を行ったという品質保証のある熟成済みバローロたち、ということになります。

IMG_2584





























今年は2003年がリリースされたようです。
右下のマーク「Sibi et Paucis」は意訳すると「わずかな方たちにだけ、とっておきを」というような意味合いのラテン語です。
このようなアイデアはいままで聞いたことがなく、皆さん興味津々!

本当に大満足の楽しいワイナリーツアーでした!

次回は植竹シェフと1ツ星のリストランテのコラボディナーです!ガヤ、サンドローネ訪問後の夕食ですが、すんごいバローロも登場します!お楽しみに!

↓↓ランキング参加のため、2つクリックをお願いします^^GRAZIE!

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
 人気ブログランキングへ

nobufico at 23:21|PermalinkComments(17)

2013年02月22日

特集・植竹シェフと行く美食ツアーその3 ガヤ訪問!

皆さんこんにちは!
シエナ県では各銘醸地の見本市の真っ只中!日曜日はブルネッロ・ディ・モンタルチーノの見本市に行ってきます。
さて前回からの続き。1月のツアー後編!
ピエモンテはアルバのワイナリー、バルバレスコ“ガヤ”とバローロ“ルチアーノ・サンドローネ”を訪問しました。

IMG_2433
名称Barbaresco DOC
収穫年1978
カテゴリーDOC
品種ネッビオーロ種
生産地域ピエモンテ州クーネオ県バルバレスコ
生産者GAJA社
料理繊細なセコンド、ジビエ
コメント
1859年にジョヴァンニ・ガヤ氏によって設立されたワイナリーで、ひ孫にあたるアンジェロ・ガヤ氏が現在の当主です。
1900年代、人々はバローロの土地をこぞって手に入れようとしましたが、ガヤ家はバルバレスコの土地の可能性を信じ、畑と人々を愛し続けました。そのおかげでガヤ家はバルバレスコの中でもすばらしい土地・畑を多く所有することができました。
現在に至るまでバルバレスコだけでなく、イタリアワインの世界的な地位向上に大きく貢献した偉大なワイナリーの1つです。

過去記事→バルバレスコ

bolgherialba















PNG














IMG_2397



















なんとお嬢さんのガイア・ガヤさん(Gaia Gaja)さんが自らカンティーナ案内をしてくれました!

バルバレスコは人口600人ほど、4つのレストランがありそのうち2つがミシュランの星付きのお店だそうです。
DOCGバルバレスコの生産者は100ほど。多くの方がワイン生産に従事しているそうです。

ガヤでは、約60人いるスタッフ(1ワイナリーとしてはかなり多い)のほとんどが2世代目の方々。収穫の時だけではなく年中ともに働きワインの生産に携わってもらっているとのこと。
冬季の仕事が少ないときは、土壌を造る仕事を任せているそうです。(肥やしやブドウの木を裁断して肥料をつくり自分たちで半永久的な土壌還元をおこなっているとか。)
1年を通して働くことで、ガヤのワイン造りのセオリーや意思を共有して理解できるというメリットがあるという考えです。

DSC_0135















DSC_0138














アンジェロ・ガヤ氏の革新的な醸造改革
ピエモンテにおけるバリックの導入。
1969年にピエモンテの誰もが耳を疑ったネッビオーロをバリック樽で熟成させるという当時では革新的な熟成方法を取り入れます。
小樽熟成によってエレガントに仕上がる彼らのワインは世界中のワインファンを虜にし、瞬く間にGAJAの名を世界に知らしめました。

以下(記憶違いがあったらごめんなさい。汗)
ガヤのバルバレスコは14つの畑ごとにワインを醸造・大樽で熟成。
1年後ブレンドし、実試飲(アンジェロ氏、ガイアさん、醸造家、醸造補佐)の4人で行ったあとバリックでさらに1年間熟成を行い仕上げていきます。
※HPがないので正確な情報が。。ネットにあったワイン情報では1年バリック後に大樽1年とありましたが、見学した工程からして逆だと思います。

IMG_2416
















ガヤ家の歴史がわかるギャラリースペースも設けられていました。

IMG_2419
















彼らの白シャルドネ100%の“ガイア・エ・レイ”というボトルのラベル写真です。ガイアは彼女、レイはガイアさんのお祖母さんのお名前です。

他にもガヤ家の敷地内で営業していたトラットリアのワインメニューの写真も飾られていました。半世紀以上前のものだったと思いますが、ガヤ家はバルバレスコのワインを畑ごとに値段を変えて販売していたそうです。かなり古くからクリュ(単一畑)の発想を持っていたということです。とても興味深いですね!

IMG_2424

















IMG_2423
















モダンな試飲ルームから見渡すアルバの景色。

IMG_2434

















IMG_2437





























信じられないような試飲ワインリストです!

IMG_2454
















イタリアワイン界の帝王とも呼ばれるガイアさんの父、アンジェロ・ガヤ氏も迎えてくれました!
自分にとっても感動の瞬間!

IMG_2452
















植竹シェフもアンジェロ・ガヤ氏と2ショット!

日本人の繊細な味覚についてお話いただきました。築地の話はいろいろな所でされているようで、本当に日本のことをよくご存知で驚きました!以前は日本にもよくいらしていたようですが、今は娘さんのガイアさんに任せているとのことでした。
植竹シェフ、僕も含め皆さん、忘れられないひと時となりました。

ガヤ家は、トスカーナにもワイナリーを所有しています。モンタルチーノでは、ピエーヴェ・サンタ・レスティトゥータ。ボルゲリではカマルカンダというワイナリーです。
ガイアさんもトスカーナに来ることがあるようでしたので、ぜひいつかワイナリーにもお邪魔してみたいと思います!

次回はツアー最終章!
サンドローネ訪問と植竹シェフとミシュラン1ツ星リストランテのコラボディナーです!ではでは

ただいま仕事中!ENOTECA ITALIANA

↓↓ランキング参加のため、2つクリックをお願いします^^GRAZIE!

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
 人気ブログランキングへ

nobufico at 04:29|PermalinkComments(5)TrackBack(0)