2015年04月

2015年04月26日

エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その2

皆さんこんにちは!
前回に引き続き、エミリア・ロマーニャ州の南東部ロマーニャ地方にあるワイナリー、カステッルッチョの最新情報をお届けします。

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ご覧のようにド田舎です。当日は天気にも恵まれ清々しい春の日でした!

山を進んでいくといくつかの畑を目にしました。

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こちらの畑は皆さん何か想像できますでしょうか?

何とキウイの畑です。

あまり想像できなかったエミリア・ロマーニャ山岳部のキウイ栽培。あまりに信じられなくて?(ロベルトを疑ったわけでもないですが・・)昨日シエナのスーパーに並んでいたキウイの産地を確認してみるとそこには「FAENZAファエンツァ」との記載が。。!つまりこのエリアです。一つ勉強になりました。

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ワイナリーにはワンちゃんがいることも多いですが、こちらカステッルッチョにも。

ラポ君です!到着するやいなやお出迎え、その後ロベルトの愛車ボルボのホイールにマーキングをしていました。

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左は実質的なワイナリー運営責任者であり醸造家でもあるクラウディオ・フィオーレ。醸造家ヴィットーリオ・フィオーレの三男であり、四男アレッサンドロとの双子です。

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フィオーレ家
左から次男ユーリ、三男クラウディオ、妻アドリアーナ、ヴィットーリオ、四男アレッサンドロ、長男ロベルト

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次男のユーリはブルゴーニュの醸造学校を経て現在はトスカーナ州フィレンツェ県グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ責任者。三男のクラウディオはアルトアディジェにあるサンミケーレ農業学校で醸造学を学んだのちフリウリの名門リヴィオ・フェッルーガ社などのワイナリーで経験を積みカステッルッチョの責任者を務めます。

カステッルッチョ社とオーナー、ヴィットーリオ・フィオーレの歴史を簡単にご説明。

カステッルッチョ物語 第1部

 1978〜1990年

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Gian Vittorio Baldi


1970年代の終わり、映画監督であったジャン・ヴィットーリオ・バルディ氏が土地を購入、新興ワイナリーとして創業。国内外で活躍していた醸造家ヴィットーリオ・フィオーレをコンサルタントに迎え、それまで主流でなかったクオリティーワインの生産に努める。国際的な情勢も視野に入れサンジョヴェーゼ以外にもわずかにソーヴィニョン・ブランやカベルネ・ソーヴィニョンも植える。(エミリア・ロマーニャ州で初めての植えられたソーヴィニョンではないかともいわれている。)
近年このエリアで成功を収めるゼルビーナ、パラディーゾ、サン・パトリニャーノなどのワイナリーの中でも先駆者的な存在として知られている。

80年代ソビエト連邦のゴルバチョフなどの要人を迎えたローマでの昼食会でカステッルッチョ社の究極のソーヴィニョンセレクション、RONCO DEL RE ロンコ・デル・レが振舞われた。

90年、バルディ氏はワイナリーの経営権を他者に譲りワイナリーも売却。ヴィットーリオ・フィオーレは約10年務め一時代を築いたカステッルッチョのワインコンサルタントから身を引くこととなった。

92年ヴィットーリオ・フィオーレが自身のワイナリーポッジョ・スカレッテをグレーヴェ・イン・キァンティに立ち上げる。

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ポッジョ・スカレッテは当初、国内よりも国外に向けた国際的なワイナリーを目指し、エリアでありながらキァンティは造らずにサンジョヴェーゼからなるIGTカルボナイオーネをリリース。アメリカでは大手のWINEBOW社がエージェントを務め、ドイツ、スイス、日本など海外のマーケットを作りあげた。イタリア国内においては、親交のあったフィレンツェの3ツ星リストランテ“エノテカ・ピンキオッリ”のジョルジョ・ピンキオッリ氏が300本のみ独占販売することとなる。
95年ごろにエノテカ・ピンキオッリの独占販売をやめ、ようやく国内に流通し始めた。ピンキオッリには代わりにバリック熟成のメルロ―からなるピアントナイア、シャルドネのリッキアーリを限定1000本ずつ生産し、独占権を与えた。(近年もピンキオッリスタッフはカルボナイオーネの収穫を手伝いにくるなど、2人の親交は深い。)
ポッジョ・スカレッテは2009年ヴィンテージよりキァンティ・クラッシコのリリースを始める。

関連記事➡特集・植竹シェフと行く美食ツアーその1エノテカ・ピンキオッリでワインセレクト!


カステッルッチョ物語 第2部

1999年、ヴィットーリオは自身の心の拠り所であったカステッルッチョを兄弟と購入し、コンサルタントではなくオーナーとしてワイナリーを再建することになる。

2000年から2010年までパヴィアの大手BORIS社が国内販売のエージェント権を得て、エミリア・ロマーニャ州を中心に流通を拡大させた。ポッジョスカレッテとは反対に国内のみで十分のマーケットを築き上げていたカステッルッチョだったが、2010頃よりヴィットーリオ長男のロベルトをマーケティング担当に据えて輸出部門などを改変。
ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの2枚看板で国内・国外のマーケティングを行っていくこととなった。

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ポッジョ・スカレッテとカステッルッチョのワインを手にするヴィットーリオ・フィオーレ

2011年 ヴィットーリオ・フィオーレがシエナ・エノテカイタリアーナにてソムリエをしていた鈴木暢彦と出会う。東京のホテルニューオータニで行われたイベント、イタリアワインウィークの試飲会とセミナーのため来日同行。東京でお寿司やおでんを一緒に食べる。

2015年 鈴木暢彦がカステッルッチョのエージェントとなり日本の大手ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァンのインポート部にて独占輸入が決定、販売開始予定!

次回はいよいよワイナリーの畑、ワインの紹介!

つづく

 

nobufico at 03:33|PermalinkComments(0) エミリア・ロマーニャ | ワイナリー訪問

2015年04月23日

エミリア・ロマーニャ州カステッルッチョ!その1

皆さん、こんにちは!シエナもいよいよ暖かくなって観光シーズン到来といった感じです。先日は、シエナのワインショップ“エンポリオ・メディテッラーネオ”のワインリスト用と日本へのワイン輸出のお仕事を兼ねて、トスカーナ州の北隣りに位置するエミリア・ロマーニャ州のワイナリー、カステッルッチョ社に日帰りで行ってきました。

このワイナリーは、トスカーナ州グレーヴェ・イン・キァンティのポッジョ・スカレッテ社オーナーであり、長年にわたりイタリア、トスカーナ州のワインの質を向上させその価値を世界に知らしめた著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏が兄弟と数名の出資者とともに所有するもう一つのワイナリーで す。


カステッルッチョ
エミリア・ロマーニャ州 フォルリ・チェゼーナ県 モディリャーナ

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エミリアロマーニャ境界
 











(Wikipediaより)

州名は、州西部から中部にかけての「エミリアイタリア語版地方」と州東南部「ロマーニャ地方」を結んだものである。ロマーニャ地方はラヴェンナ県、フォルリ=チェゼーナ県、リミニ県一帯を指す。

「エミリア」地方は、古代ローマ時代に北イタリアの主要街道であったエミリア街道(Via Amilia)にちなむ。ピアチェンツァとリミニを結ぶ(リミニでフラミニア街道に接続しローマに至る)エミリア街道の名は、建設当時の執政官マルクス・アエミリウス・レピドゥスの名にちなんでいる[4]。「ロマーニャ」地方は、Romania という語から派生したもので、中世初期に東ローマ帝国ラヴェンナを中心としてこの地を支配したことによる。
 

ワイナリーはファエンツァ、フォルリから近いモディリァーナという山岳、丘陵地帯。トスカーナからアペニン山脈をまたいだ反対側というところ。

エミリア










ロマーニャ










当日はシエナより直通バスでボローニャにわたり(約2時間30分)、待ち合わせしたロベルトと合流。ロベルトはヴィットーリオ氏の4人の息子の長男で現在はポッジョ・スカレッテとカステッルッチョの海外(アジア含む)のマーケティングを担当しています。

40分ほどでファエンツァに到着。ランチとなりました。お店はマリアナーツァという評判のお店に。

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Mora Romagnola モーラ・ロマニョーラという地元の希少な豚のサラミ盛り合わせ。フォルリ・チェゼーナ・ラヴェンナあたりの古代豚だそうです。ネットでみてみると飼育されている雌300頭、雄150頭しかいないようです。(チェゼーナはサッカー長友選手が所属していたチーム、この地域の町です。)
まるでシエナの希少黒豚チンタ・セネーゼのようなブランドですね。 初めて知りましたが、旨みを感じる美味しいサラミでした。シエナのショップでも取り扱いたいなー(笑) ロマーニャ地方のサンジョヴェーゼ、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャをいただきました。ワインは、地域の他ワイナリーのものも味わってみたかったのでZERBINAゼルビーナ社のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャDOCスーペリオーレ・リゼルヴァ“ピエトラモーラ”を。

次回はカステッルッチョの最新ワイナリー情報をお届けします!

つづく 

nobufico at 23:53|PermalinkComments(0) エミリア・ロマーニャ | ワイナリー訪問

2015年04月03日

シエナに新ワインショップオープン!エンポリオ・メディテッラーネオ!

皆さんこんにちは!

この度、シエナの中心街にイタリア人と2人でワインショップを開けることになりました。 

その名も“EMPORIO MEDITERRANEO エンポリオ・メディテッラーネオ” !
 
ワイン愛好家の集う場となることを目標に、ワイン販売、ワインテイスティング、ワインセミナー、ワイン輸出、ワイナリーツアーなど、ワインにまつわることは何でもやろうという会社です。 

これまで培ってきたイタリアワインへの情熱・知識をアウトプットできる場ができとても嬉しいです! 

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全て手作りなので、ロゴも自分たちでデザインしました。

3つのRはシエナ中心街の連なる3つの丘をイメージ 。

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別室はテイスティングルーム

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イタリアソムリエ協会AISやFISARのソムリエ仲間たちが運営をサポートしてくれています。
英語、イタリア語、日本語、スペイン語、ポルトガル語に対応

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現在、自分のお勧めイタリアワインを全土からセレクト中です。

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ミラノの欧州ヤマトにて日本へのワイン配送完備
また日本のインポーター様、レストラン様向けの日本未入荷ワインのサンプル配送も行います。

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元ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ組合代表で現在はヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ組合でプロモーションを行うステファノ・カンパテッリ氏も立ち寄ってくださいました。エノテカ・イタリアーナに勤めていた時からかれこれ5年ほどの付き合いとなります。

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ワインは愛好家向けやギフト向けなどの観点から、味わい、質や値段、デザイン、希少性なども見ながら主に自分がセレクトしています。
こちらは、モンタルチーノ、ラ・ジェルラ社のブドウ栽培家アレッサンドロ・ロッシが自分のシリーズとしてリリースしたアルタメスのロッソ・ディ・モンタルチーノ。
全てが500mlサイズで2012年の初ヴィンテージが今年リリース。年間2000本以下の生産量。
彼のブルネッロ・ディ・モンタルチーノは2年後の2017年以降に初リリースとなります。

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クオリティーワインの造り方を知っている彼のオペラ(作品)。味わいのバランス、余韻ともに高レベル。
ワイン生産者も立ち寄る場所にしていきたいと思っています。
左は一緒に働くパスクアーレ。

エンポリオ・メディテッラーネオはシエナのカンポ広場から20m。住所はVia Casato di Sotto 11 ヴィア・カザート・ディ・ソット11です。
道をはさんだ向かいには、我々のワイン観光のオフィス・WINE AND TOURSがあります。

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日本のワインファンの皆さんのワイナリーツアーやワイン購入のガイドとしてシエナにてお役に立てれば幸いです。日本人団体ツアーのワインテイスティングも承ります。
近くまでいらした際はぜひお立ち寄りください。宜しくお願いいたします。

nobuhiko@emporiomed.it
鈴木暢彦
 


nobufico at 02:30|PermalinkComments(3)