2012年12月

2012年12月26日

IGT トスカーナ “メメント” LE BUCHE

memento
名称IGT Toscana "MEMENTO"
収穫年2007年
カテゴリーIGT
品種サンジョヴェーゼ種50%、シラー種50%
生産地域トスカーナ州シエナ県サルテアーノ
生産者LE BUCHE社(FACEBOOK有り)
料理牛煮込み、ジビエ、熟成チーズ
コメント樽のニュアンスと果実味のバランスが良い、黒みがかった、しっとりと柔らかい、ブラックチェリー、森のベリー類、丁子、あたたかみ、心地よい甘酸っぱさ、上品で心地よい余韻
皆さんこんにちは!今回はトスカーナに戻り赤の辛口ワインのご紹介です。
トスカーナは10県から成っていますが各県でいろいろなワインが存在し、生産されています。ブドウの種類も様々ですが、単一の品種で作られるものもあればブレンドのものもあります。
ブレンドにも色々なタイプがありますが多くの場合は、ある1種のブドウがベースとなっていて補助の役割で他の種が加えられるというパターンです。補助というのは、香りや色合い、渋みを加えるもしくは和らげるなど、本来のベースのブドウだけでは物足りないものを補う意味です。

サンジョヴェーゼは素晴らしいブドウですが100%で作るとタンニンによる渋みや酸味がとても刺激的です。そのままではなかなか飲みづらい。ではどうするか。
A、熟成させる
B、他のブドウを混ぜて柔らげる。

Bの発想で生まれたのがキァンティです。

トスカーナ州スーヴェレートのペトラ社のジンガリやシチリアのフィッリアート社のクアテルというラベルなどは4つの品種が25%ずつという配合。
50%ずつの配合で有名なトスカーナワインだと、まず浮かぶのがその名も50&50(チンクワンタ・エ・チンクワンタ)というラベル。カパンネッレ社とアヴィニョネージ社のコラボで生まれたスーパートスカーナでサンジョヴェーゼとメルローのボトルです。また貴族マッツェイ家フォンテルートリのシエピというラベルも同じくサンジョヴェーゼ+メルローのボトル。前者、後者ともトスカーナワインの中でも特に高価なワインのものです。

さて今回、ジュゼッペ&リッカルド・オリーヴィが設立したレ・ブーケ社の“メメント”というラベル。サンジョヴェーゼに、トスカーナとしてはまだまだ認知度は高くないシラー種を50%ブレンドしています。
カベルネ系やメルローなどの品種はサンジョヴェーゼにブレンドされることには何の違和感も覚えなくなってきましたがサンジョヴェーゼ+シラーというブレンドはあまり見かけません。トスカーナのシラーは以前100本目記事で取り上げたダル・チェロ社のクラニスなどアレッツォ県のコルトーナではシラー種の名醸地としてすでに成功を収めていますが他の地区では試みる生産者は多くないのです。
サンジョヴェーゼとシラーの50%ずつのブレンドですが、サンジョヴェーゼへの補完というよりもよりクリエイティヴで芯のあるワインを創りあげる目的でのブレンドといえそうです。サンジョヴェーゼの個性だけではなくシラー種のもつ厚み、香り、果実味を加えてまとめ上げたワインです。シラー種は225Lバリック樽、サンジョヴェーゼ種は500Lの樽にて熟成。(どちらも新樽か2度目の樽。)熟成後ブレンド、ボトル詰めして12ヶ月〜18ヶ月の貯蔵。
2つの異なる品種が見事に一体化してお互いを高めあっているようなワイン。

sienasarteano
シエナ県の南東。モンテプルチアーノよりもさらに先のサルテアーノ。シラーの生産の盛んなコルトーナもそれほど遠くありません。

sarteanomontepuluciano

レ・ブーケ社参加のワークショップINエノテカの過去記事→コチラ

レ・ブーケ社は他にもヴェルディッキオを使った白や、トスカーナ古代品種プニテッロのボトルも生産しています。
先日フィレンツェ郊外で行われたガイド高評価のトスカーナワインを集めた試飲会でも登場していました。ご機会あればぜひ!

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nobufico at 08:23|PermalinkComments(30) トスカーナ | IGT

2012年12月14日

最近のワインな出会い!!

皆さんこんにちは!寒いですねー^^;
今回はワインではなく、ワインを通じた”出会い”のご紹介!国立エノテカで働いていると本当にたくさんの出会いがあります。
日本人の観光の方や、こちらで修行中の日本人コックさんやソムリエの勉強をされている方。もしくはイタリア日本間でお仕事にされている方たちとも多くの嬉しい出会いがありますが同じようにワインの生産者たちやワインを愛する地元の人たちとの出会いにも恵まれているのが今の環境なのです。
最近の出会いのご報告!

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12月4日
フランス ブルゴーニュ
モンラッシェ地区DOMAINE LEFLAIVE(ドメーヌ・ルフレヴァ)
ヤニックさん
奥さんがピュリニーモンラッシェの生産者“ドメーヌ・ルフレヴァ”の家系。イタリア語がペラペラなのでたくさん話ができました。
カオールでペンションもやってます。

生産ワイン
montrachet
グランクリュ、モンラッシェはブルゴーニュ最高の白と呼ばれるもの。彼らはなんとバリック樽1つのみの生産で年間約300本しか作らないそうです。一般販売は無いとか。希少過ぎです。。
(ピュリニー、シュヴァリエ、バタール・・とか勉強したなあ。懐かしい!)

フランスのワインは時に飲料ではない、それが悲しいことでもある。と語ってくれました。
どういうことかと言うと、彼らのモンラッシェしかりフランスワインの最高峰のものはその希少性のあまり、いわゆる株の物件のような取引が行われることがしばしばあるそうで、飲むというより仕入れて高値で売るという投資家が多いそうです。

ワインは飲まれなければいけない。

またヴォーヌロマネのとある生産者が究極のピノノワールを造ると言ってました。高齢の女性だそうですが、彼女は望まぬ雨がぶどう園に降ってしまいブドウの房が濡れてしまった場合、ヘリコプターを飛ばして低空飛行させ、風圧でブドウを乾かすとか。(笑)・・変人です!
ヤニックさん曰く、彼女の造るワインはまさに究極のワインだそうです。ゴクリ・・

また最後に、イタリアワインは近年飛躍振りがすごいといっていました。フランスは先に地位が確立されたことで努力や挑戦というものを続けるモチベーションを持てない人たちもいる。(ボルドーと名前が付けば売れるわけですからね)イタリアはまさに各地でより高度なワイン造りを追求している段階でさらにのびしろがあると言ってくれました。
フランス−イタリアワイン業界の話がたくさんできて楽しい時間でした!

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12月7日
トレンティーノ TENUTA SAN LEONARDOオーナー
カルロ・グエッリエリ・ゴンザーガ公爵です。代々続く貴族のワイナリーの現社長がエノテカにいらっしゃいました。ちょうど10月にブログでサン・レオナルド社のワイン記事を取り上げたばかりだったので、そのことを伝えたらすごく喜んでくれました。小さい白い子犬を連れていらしたのですが、ブログ記事の中の写真を見直すとこのワンちゃんもしっかり中心に写ってるではありませんか!かわいい!
ワイナリーにもぜひ遊びにおいで、とお誘いいただきました!
サンレオナルド記事

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12月12日
キァンティ・クラッシコ地区 BORGO SCOPETOボルゴスコペート

左から2番目のマルコは1993〜94年に東京・銀座のソニービルにある「サバティーニ」で勤めていたそうです。一番右は、トスカーナワインのコンクールなども行ったホテル・ガーデンにて長くソムリエを勤めていたアドリアーノ。今はマルコと一緒にワイナリー・ボルゴスコペートに勤めています。リゼルヴァもコストパフォーマンス良過ぎです。モンタルチーノのカパルツォと同経営です。

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シエナのサリンベーニ広場もクリスマス一色に!
皆さんBUON NATALE(ブオンナターレ)!

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nobufico at 20:36|PermalinkComments(28) エノテカイタリアーナな日々? | 番外

2012年12月06日

DOC アリアニコ・デル・ヴルトゥレ “ラ・フィルマ” CANTINE DEL NOTAIO 

VULTURE
名称Aglianico del Vulture DOC "La Firma"
収穫年2007年
カテゴリーDOC
品種アリアニコ種
生産地域バジリカータ州ポテンツァ県
生産者CANTINA DEL NOTAIO社(FACEBOOK有り)
料理セコンド全般、味わいのしっかりした肉の赤ワイン煮込み、熟成チーズ
コメント黒チェリー、甘草、熟したプラム、ブラックペッパー、凝縮感のある、柔らかみ、強く重たい、しなやか、心地よい苦味と渋み、アルコール
皆さんこんにちは!今年も12月に入り、残すところ1ヶ月を切りましたね!シエナは初雪こそまだですが、かなり寒くなってきて本格的な冬到来といった感じです。
シエナの街もクリスマスのイルミネーションで彩られて、このシーズンならではの雰囲気で綺麗です。昨日は同僚とクリスマスのために社員にワインを配る企業にワインを配達してきました。2本入り箱170箱、3本入り85箱、6本入り35箱です!いい会社だなぁ^^

さて今回アップするのは、イタリアの南バジリカータ州の赤ワインです。
バジリカータ州はブーツ型でいうイタリア半島のくるぶしにあたる州です。石の町の世界遺産マテーラも有名。州都ポテンツァの北にあるヴルトゥレ火山に広がる原産地呼称地区がアリアニコ・デル・ヴルトゥレです。

Basilicata

taurasivulture

バジリカータは西にカンパーニア、南にカラブリア、東はプーリアに囲まれている州。今回のアリアニコ・デル・ヴルトゥレはバジリカータ州の海側(南)ではなく北の内陸地区で、カンパーニア州の偉大な赤タウラージ(アリアニコ100%)の生産地区ともさほど遠くありません。

アリアニコ100%でポテンツァ県、リオネーロ・イン・ヴルトゥレとその周辺で生産が認められています。アルコール度の高い(よりしっかりしたボディの)スーペリオーレとスーペリオーレ・リゼルヴァ(樽熟成をよりしっかり行った)ものに限り2010年よりDOCGの登録となっています。数少ないバジリカータの銘柄の中でも誇るべき赤ワインと呼べるものです。

今回のラベルはバジリカータ州の雄、カンティーネ・デル・ノタイオ社のもの。彼らはアリアニコ・デル・ヴルトゥレの生産地区の中でもまさに中心地区で生産を行っているワイナリーで、アリアニコ・デル・ヴルトゥレで4つの赤ワインラベルがあります。バジリカータは白の生産は盛んではありませんが、彼らはフィアーノ、シャルドネ、ソーヴィニョンの混醸のラベルだけでなく、アリアニコを白醸造(ヴィニフィカート・イン・ビアンコ)したものにマルヴァジアやモスカート、シャルドネで構成した白ワインのラベルなども生産。さらに甘口やスパークリングも生産するなど意欲的です。
ラ・フィルマはバリック樽、500L樽で12ヶ月の熟成後、瓶内で12ヶ月熟成後出荷となります。南の太陽をしっかり浴びて熟したアリアニコからなる、アルコール感のあるワイン。食事を通すということもできますが、セコンドのしっかりした味わいの肉料理に照準を絞れるパフォーマンスのある赤といえそうです。渋みや苦味も心地よく、小樽での熟成によってすでにまとまりがあって上品な飲み口でした。バジリカータの土地を感じるアリアニコをご機会があればぜひ!

エノテカで売っているCANTINE DEL NOTAIO社のワイン

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nobufico at 23:37|PermalinkComments(20) バジリカータ | DOC